いろんなお仕事・バイト職業図鑑

ブラック仕事も儲かりそうな楽しい仕事もいろんなお仕事・バイトの体験記です。

ジモティーにあった手元募集・手元作業員の仕事ってどんな内容?

今月も新たな仕事に挑戦するため、ネットの求人サイトを開いた。

今回はいかがわしい短期バイト募集が多い「ジモティー」で、探すことに。これまでもお仕事ルポでは何度かお世話になっているサイトだ。
エリアを関東にして、アルバイトのタグをチェックして検索。飲食系のバイトが多い中で目に付いたのが「手元募集」という文言だ。
手元ってなんだろう?ネットで調べてみたところ、要するに土木や建築作業で足りなく
なった人手を補うための補助バイトってことらしい。

しかも、仕事の内容は、あくまでも補助なので楽な仕事が多いそうな。必要なときだけ呼び出されるとのこと。
よし、これに応募してみよう。
楽に稼げたら、副業にでもしようかな。いくつもある手元求人の中から、2泊3日の解体業者の手元に応募することに決めた。短期でガッツリ稼ぎたいところだ。
「はじめまして。手元のアルバイトに応募したいのですが、まだ募集しているでしょうか?」

メッセージを送信して、数十秒で相手から返信がきた。
「はい。こちらの番号にお電話ください。090 ─××××」
返信が早くて助かる。すぐ電話してみることに。
プルルルル。
「はい。もしもし、どちら様?」
「もしもし、先ほどジモティーで応募した野村と申します。アルバイトの応募なんですけど…」
「ああ、はい。それでは、このまま電話面接に移らせていただきます。簡単な自己紹介をお願いします」

年齢や身長体重を教えたところ、一度、先方の事務所に確認してから折り返し連絡をすると言われて、電話を切られた。
どうやら、この人は人材あっせんの業者のようで、解体業者ではないようだ。
 

翌日、解体業者を名乗る人物から連絡があり、無事に採用が決定した。明日から直接事務所に行けば仕事にありつけるらしい。
つーか、仕事のあっせんってこんなテキトーに進んでいいのだろうか。俺としちゃ助かるけど、経験の有無すら聞かれないまま採用って、どーなのよ。
 

翌日、神奈川県平塚市にある事務所に向かった。
ノックして中に入る。
「失礼しまーす」
奥の方からスキンヘッドの恰幅のいいオッサンが現れた。
「昨日お電話いただいた野村です。よろしくお願いします」
「おお、よく来たね。話は聞いてるよ。それじゃあ仕事の説明をするから座ってくれる?」

応接間のソファに腰かけて話を聞く。
「えーっとね。うちは2泊3日で働いて給料は3万円だから、結構もらえるでしょ?」
ただし、寮費1泊3千円が給料から天引きされ、おれが3日でもらえるのは2万4千円とのこと。
素性不明の男を雇ってくれた上に、この金額をくれるんだから、良心的といえるのかもしれない。
「じゃあ、短い間だけど、よろしくお願いしますね」
この会社から支給されたのは作業着と軍手1組だけだ。
トントン拍子で話が進んでゆく。
契約書とか、保険とか何も聞いてないけど大丈夫かよ。
「あのお、もし、怪我した場合とかってどうなるんでしょうか?」
「いやあ、怪我はコワイからね。十分に気を付けてください」
「いや、そうじゃなくて、保険とかって…」
「まあ、その辺は気を付けてもらうしかないですねえ…」
 

うやむやにされてしまった。期待はしない方がよさそうだ。手元はあくまでも臨時の使い捨て要員なのだろう。
「それじゃあ、寮に案内するのでついてきてください」
事務所から歩くこと15分。寮として紹介されたボロアパートに到着した。
部屋の中は畳敷きで、4畳半と狭いが、ユニットバスがついているので、それほど悪くはなさそうだ。ただ、置いてあるテレビは、ぶっ壊れていて見れなかった。捨てちまえよ。
「明日の朝7時になったらアパートの前に迎えの車がくるので、それに乗ってください」
翌日の朝から仕事が始まるので、この日は近所のコンビニでメシを買ってきて、早めに寝ることにした。
「ニホンジン何を考えてるかワカラナイ」
 

さて、ようやく仕事当日だ。朝、アパートの前で迎えの車を待っていたら、1人の作業着姿のオッチャンが現れた。
60代後半だろうか。
どうやら、同じ現場に行く人っぽいし、声を掛けてみよう。
「おはようございます。今日から入りました野村です。よろしくお願いします」
「はい。よろしくお願いします」
「もう、この仕事は長いんですか?」
「はい。そうですね。結構長く働いてます」
 

いままでいくつもの肉体労働バイトをしてきたけど、初対面で敬語を使ってくる人に初めて会ったかもしれない。ちょっとうれしい。
迎えが来るまで、このオッチャンとお話でもして時間をつぶすことにしよう。

「手元をされてるんですよね。いつごろから働いてらっしゃるんですか?」
「はい手元で。もう、5年くらいです。仕事を退職してから始めました」
彼の名前は佐々木さん。年齢は67 才。年金をもらっているが、優雅な老後とはいかず、足りない金をここで稼いでいるとのこと。
「それに孫にもプレゼントとかを買ってやりたいでしょ」
お盆と正月に孫の顔を見るのが唯一の楽しみなんだとか。
「でも、パチンコをやっているので、全然たまらないですね」
しゃべり方からして不器用そうな人だけど、朴訥としていて、人柄が良さそうだ。
「さすがに毎日は体がもたないので、月に何回か、こうして短期で仕事をしています」
なんかリアルな日本社会の現実って感じだな。
そんな話をしていたら、バンが到着。
中に入ると、すでに車内には、ほかの労働者の姿が。隣には東南アジア系の若者が座っていた。この人にも話しかけてみよう。
「今日から入りました野村といいます。よろしくお願いします」
「ハイ。ヨロシク。グエンです」
「どうしてここで働いてるんですか?」
「学校を休んでるから…。仕方ないです」
彼のつたない日本語をまとめるとこういうことになるらしい。
 

彼がベトナムから来日したのは3年前。高田馬場にある日本語学校に通っていたが、現在は休学しながら、学費を貯めている状況らしい。
大変だなあ。それにしても、なんで学費が足らなくなったんだろう。
「予定とアワなくなった。タリナイ」
 

本来なら、来日する前に用意していたお金とアルバイトで賄う予定だったそうだが、来日してから学校の寮費が変更になり、授業後のアルバイトだけでは足りなくなったそう。
そのため、現在は休学しながら、ある程度の学費をためている最中らしい。早く日本語学校を卒業して、介護士になるのが目標とのことだ。
最近は、その日本語学校に残してきた彼女とスカイプ通話をするのが毎日の楽しみだという。
「その彼女には会いに行ったりしないんですか?」
「ソッチも忙しい。コンビニ大変っていってた」
 

彼女の方も働きながらなんとか学費を工面するのに苦労しているのだ。話を聞いてるだけで、上手くいってほしくなる。
まさか日本にまできて、ベトナムでやってたのと同じような仕事をするとは思いもしなかったという彼。
「ニホンジン何考えてるかワカラナイ。本当に怒ってるか、ふざけてるかもわからない」
本気で怒られてるときと、ふざけてダメ出しをされたときの違いがわかりにくいらしい。確かにそういう微妙なニュアンスって母国語じゃないとわからないものかも。
そんなベトナム人の苦悩を聞いていたら、30分ほどで現場に到着した。

積んだガレキは100キロ以上
今回の仕事は木造アパートの解体とのこと。ただし、あらかじめ重機で大まかな解体処理は終わっているようだ。
俺とグエン君、佐々木さんの3名が手元としての作業補助となる。
重機で壊した木材やコンクリを移動させるのが仕事だ。
 

重機を使う作業員たちが大きなコンクリの「基礎」を細かくしたら、それをトラックの荷台に積み込んだり、運搬しなくてはいけない。なんかすっげえ大変そうなんだけど。簡単な点呼の後、みなが自然と作業を始めてしまったので、佐々木さんに声を掛ける。
「すみません。なにをすればいいんでしょうか?」
「はいはい。まずは一緒にここにあるガラを運びましょう」 

ガラというのは、アパートの土台に使われていた基礎のコンクリのことだ。これを回収用のトラックまで運ぶのだ。
「じゃあ、野村くんはネコをもってきてね」
 猫? なんじゃそりゃ?
「あそこにあるやつだよ」
目線の先には、工事現場でよく見かける一輪車があった。ああ、あれをネコっていうのか。
「わかりました!」
急いでネコを持ってくる。
「ここにガラを入れて、あそこのトラックまで持っていってね」
そう言い残して佐々木さんはどこかに行ってしまった。
よし、いっちょやってやるか。
コンクリの山から、一つのガラを手に取る。ウゲ! メチャクチャ重たいよこれ。
たぶん一つで20キロくらいあるんじゃないか? 持ち上げるだけでも腰を壊しそうだ。
遠くの方では佐々木さんも俺と同じような仕事をしているが、楽々と持ち上げている。すごい力だなあ。
一心不乱にコンクリを持ち上げて、一輪車に詰め込む。なんとか、満杯になったので、いざ、トラックへ。
ただ、この一輪車の操縦が難しい。たぶん、積んだガレキは100キロ以上の重量があるので、重心が安定しないのだ。もしかしたら、入れすぎだったかも。
しかも、地面は土なので段差があって、揺れる揺れる。こぼしそうだよ。
なんとか体勢をキープしたままトラックに到着し、ズザーっと一気に流し込む。ふう。これは中々地道な作業だ。
このままのやり方では、すべてのガラをトラックに移動させるまでに、何往復もしなくちゃいけなくなるので、一気に大量のガラを一輪車に乗せることにした。
重たいのを我慢して、隙間なくコンクリを積んでいく。山盛りにガラを積むことができた。よし、これなら効率的だ。よっこいしょっと。ドスン。ドスン。うわっ! 移動する途中で一輪車からガラを落としてしまった。
その様子を見かねた佐々木さんが駆け寄ってきてくれた。
「野村くん大丈夫?」
「はい。すみません」
「焦らなくていいから、怪我しないように注意してね」
確かに、これは気を付けなくっちゃ。
「それと、1度に何個も運ぼうとすると落として2度手間になるから、注意した方がいいよ」
そのとおりだ。何度も積みなおしてたら、体力の消耗も激しくなっちまう。
その後は佐々木さんのアドバイスどおりに何度も往復を続けた。
これはかなりシンドイ作業だ。腰が痛いよお。
「ま、やめる奴がほとんどなんだけどな」
一通りガラの回収が終わったので、佐々木さんから小休憩の許可をもらった。はあ、疲れた。
ふと、現場の方に目をやると、他の作業員たちはユンボで土の中にあるバカデカい基礎を掘り返していた。すげえ。あんなデカいコンクリがアパートの下には埋まってるのか。ちょっと、びっくりだ。
ユンボで掘り返した基礎を佐々木さんたちは、ハンドブレーカーと呼ばれる小型の掘削機で細かくしている。この音がまあうるさい。ガガガガと小刻みになって耳をつんざかれる。パチンコ屋くらいの轟音だ。耳栓が欲しい。
小休憩を済ませて、またもや同じ仕事に戻る。
なんとなく要領がつかめてきた。
どれくらいの量であれば一輪車をふらつかせずに移動できるか。体のどこに力をいれれば楽に持ち上げられるか、なんとなくつかめてきたのだ。俺の場合、腕の力は極力使わずに、太ももに力を入れれば、ガラが持ちやすくなるみたいだ。
とりあえず、目に付くガラがなくなったところで、佐々木さんから声がかかった。
「野村くん! 次はこの木片を移動させて」
運ぶものが変わっただけで、やることは一緒だ。木造建築なので木のゴミも多い。
この木片のことは「シバ」というらしい。こういう用語ってよくわからんな。
さっきまでのコンクリのガラに比べて軽いので、持ち運ぶのは楽になった。もし、この建物が木造アパートじゃなくて、鉄骨のアパートだったら、作業はめちゃくちゃ大変になるだろうな。考えるだけで腰が痛くなりそうだ。
ひとまずガラとシバの移動は終了。ここで昼休憩をもらうことができた。
コインパーキングに停めてあるバンに戻って、コンビニで買ってあった昼飯を食う。はあ、疲れたな。
近くで作業員たちがメシを食っていたので、一人に声をかけてみた。この人たちは重機を操縦したり、トラックを運転したりする、俺のような手元の上司にあたるポジションだ。たぶん年齢は30才くらいだろう。
「お疲れ様です。今日、はじめて作業したんですけど、かなり大変ですね」
飯を食う手を止めてコチラを見てきた。いかにもヤンキーあがりって風貌だ。ピアスに極細マユ毛だし。
「おう、お疲れさん。手元は大変だよな」
「はい。初めてだったんで疲れましたよ」
「はは、まあ、誰でも最初はそうだよ。重機の免許とったら楽になるよ」
 

彼も最初は手元として働きながら、重機の免許をとって今のポジションまで昇格したらしい。やっぱり資格って大事だな。
「でもよ、手元で我慢すれば、たいていの仕事は楽だと思えるようになるぞ」
「そういうもんですか」
「ま、その前にやめる奴がほとんどなんだけどな」
そりゃそうだ。俺だって今すぐにでも逃げ出したいもん。

あっという間に30分の休憩は終了。佐々木さんがやってきた。
「野村くん、はい、これ使って」
 渡されたのシャベルだ。これをいったいどうしろと。
「重機で掘り返せなかった細かいガラを取り出すんだよ」
 はあ、またガラですか…。
 佐々木さんはハンドブレーカーを持って、俺はその横でシャベルで土を掘り返す。地中に埋まったガラが見えたら、横にいる佐々木さんがぶっ壊していくわけだ。
 シャベルを力いっぱい地中に突っ込み、基礎の周りの土をどかす。
「これでいいですか?」
「はい。大丈夫ですよー」
 ズガガガガとハンドブレカーで、基礎を破壊していく。おお、間近で見ると迫力がスゴイぞ。いとも簡単にコンクリが割れていく。
「野村君もやってみる?」
 いいんですか? それではぜひ。ブレーカーを受け取る。おお、結構重たいんだな。コンクリに先端をあてがって、持ち手にあるスイッチをオン。ガガガガ! うおー、ものすごい振動が伝わってくる! なんとなく爽快かも。
何分か続けていたら、腕の感覚がなくなってきた。振動で握力が弱ってきてるみたい。
楽そうに見えたけど、これはこれで重労働だ。振動の間もズレないように抑えていなくちゃいけないので、上手に力をかける必要があるのだ。
それに、粉塵の量が尋常じゃない。コンクリから上がった煙が喉から肺に入ってくるので、思わずゲホゲホとむせ返る。
本来は防塵のマスクをつけてやるもんだと思うけど、佐々木さんは何もつけずにやってるし。身体壊しちゃうぞ。
数分やったところで交代した。
ペースが遅すぎるので、俺がやってちゃ、何カ月もかかっちまいそうだ。
それに、この機材は1台30万以上するとのことで、本来は俺みたいな素人に触らせてはいけないらしい。
その後も、俺と佐々木さんのペアでシャベルで基礎を出して、壊すという作業を続けた。
この上にアパートが建っていただけあって土が重たい。上からギュッと圧縮されているので、掘り返すのも一苦労だ。
2時間ほどかけて、ようやく終わった。近くでブレーカーの轟音をずっと聞いていたので耳がキーンとしている。
この耳鳴り治るのかなあ。佐々木さんはといえば、ちゃっかり耳栓をしてるのでヘッチャラみたいだ。土の掘り返しが終われば、いまぶっ壊した基礎を、先ほどと同じように一輪車でトラックに移動させていく。はあ、シンドイ。
次第に腰から背中にかけての筋肉が痛くなってきた。このままじゃスジを痛めてしまいそうだ。はあ、この世からコンクリートがなくなってくれればいいのに。
まだ、季節が寒かったからいいものの、これが夏だったらマジで死んじまうぞ。
パチンコの話題があれば現場の人と仲良くなれる
気が付けば時刻は15時になっていた。あと2時間ほどで作業は終了だ。
しかし、相変わらず俺の仕事は重たーいガラの運搬だ。作業にも慣れてきたので、佐々木さんと話でもしながらやるとしよう。
「やっぱり、佐々木さんは作業のスピードがちがいますね。筋肉がすごいんじゃないですか?」
「はは、いやあ、私なんて全くですよ。もう全身ボロボロですから」
 へえ、そうは見えないけど。全身ピンピンしてるじゃん。
「いやいや、経験でカバーしてるだけで、体力はもう残ってませんよ」
そうはいっても、60代後半でこんなキツイ仕事をやってるってだけで尊敬に値するぞ、マジで。
この佐々木さん、仕事が終わったらパチンコ屋に行くのが日課で、給料のほとんどを新台を打つのに使っているんだと。
「いま、AKB48の新台が出てて楽しみなんですよ。今日は打ちに行こうと思っててね」
ま、パチンコでも行って憂さ晴らししなくちゃやってられない仕事ってのはわかる気もするけど。
彼によれば、肉体労働系の仕事中の話題は9割がパチンコだそう。
全国の都道府県全てにパチンコ台があるので、どこの現場に行っても、パチンコの話題さえ持って行けば現場の人と仲良くなれるらしい。
そんなパチトークをしながら作業をしていると、気が付けば就業まで30分ほどの時間になっていた。
もう、全身、特に腰はボロボロだ。
ちょっとかがむだけで、ピキっという鋭い痛みが襲ってくるのだ。
目立つガラをトラックに運び終えたところで、昼休憩のときに話しかけたヤンキー作業員が声を掛けてきた。
「おう、新人、ツラそうだけど、大丈夫か?」
「もう、ほとんど限界ですね」
「そうか、そうか、じゃあ運搬はいいからこっちにきて、交通整理をしてくれるか?」

やった! ようやくガラ運びから解放される。新人だからってことで、気を使ってくれたのかも。
俺が必死こいて運んだガラを乗せたトラックと、重機を乗せたトラックの2台が出てくるときの誘導を任せられた。
道が狭いので他の車が通らないように止めておいてくれというのだ。俺やり方がわからないんだけど大丈夫かなあ。
「ま、車は来ねえだろうから、自転車とか通行人に注意してくれればいいから」
彼から赤く光る誘導棒を受け取って、道路に出る。
そこに1台の自転車がやってきた。おっしゃ、俺の出番だ。
危ないことを知らせるために、誘導棒を大きく回す。さっきまでガラを運んでたので、腕が頭の上まであがらないぞ。イテテテ。
「すみませーん。トラックが出てくるので少々お待ちください!」
ママチャリに乗った主婦にイヤな顔をされながら、交通誘導は終了した。車が来なくてよかった。現場に戻ると、数名の作業員を残して解散になっていた。
はあー。やっと終わったみたいだ。過去やってきた仕事で一番疲れた。もう、ムリです。アパートに着くやいなや、佐々木さんはパチンコ屋に行くと言って去っていった。
はあ、もう続けられそうにない。解体の手元は日本で一番ツライ仕事だ。この仕事に従事してるってだけで、俺はその人を尊敬します。
アパートの部屋に戻り、荷物をまとめて部屋を出た。もう、やめます。