いろんなお仕事・バイト職業図鑑

ブラック仕事も儲かりそうな楽しい仕事もいろんなお仕事・バイトの体験記です。

珍獣・珍魚珍しいペットの密輸カツギ屋というお仕事

f:id:torivian:20200617110526j:plain

f:id:torivian:20200617110528j:plain

f:id:torivian:20200617110531j:plain

f:id:torivian:20200617110534j:plain

【概略・全文は上記記事をお読みください】
密輸、と聞いて読者のみなさんはどんな物を思い浮かべるだろう。
マリファナ、シャブ、拳銃といったところか。
だが〈外国から持ち込んではいけないモノ〉は他にもある。例えば動物。普通のペットショップじゃ買えない珍種は、今やクスリやチャカ同様ヤバイ。現在、絶滅の危機に瀕した野生の動植物は、ワシントン条約の定めにより、世界130カ国もの間で輸出入・商取り引きが制限されている。一方、こうした超レアものを欲しがるマニアは数多く、種類によっては1匹で数百万、数千万円もの大枚をはたく輩も少なくない。
そんなわけで日々、税関の目をかいくぐって密輸されている動物だが、いったい誰がどのようにして、またいくらでこの運び屋仕事を請け負っているのだろう。実は、その多くがペットショップの人間、あるいは店側に頼まれた一般人である。かく言う私もその1人で、普段は食材専門の商社に勤めるサラリーマンだ。私が、ペット業界で〃カツギ屋〃とも呼ばれるこの仕事をなぜやるようになったのか、どんな方法で密輸し、いくら報酬を得ているのか。包み隠さず、すべてを報告しよう。ペットショップを経営する飲み仲間、酒井に誘われたのが、そもそものきっかけだ。「米ちゃんってさ、たまに仕事でマレーシアとかタイに行ってるでしよ。ちょっと頼みがあるんだけどな」
「ああ、何でも言ってくれよ」
酒井の依頼は、現地からアジアアロワナの稚魚を5匹持ってきて欲しいというものだった。「向こうにオレの友達がいて全部手はずは整えてるから。米ちゃんはそのバッグを持ってくるだけでいいの。大丈夫、何度もやってるから絶対バレないって」
アジアアロワナ。中国では龍魚と呼ばれ、幸運を招くとして珍重されるこの魚は、シーラカンスを彷彿させるシェイプとその独特の光沢で、日本でも熱狂的な人気を博している。
「で、持ってきて欲しいのが、コイツ。過背金龍(力セイキンリュウ)」
酒井が奥の棚を指さして言う。見れば、そこには青銅色のウロコをギラつかせながら悠々と泳ぎ回るアロワナの姿が。水槽の表面には「超特価」の値札が付いている。
彼の話では、かつてアジアアロワナはもっとも規制の厳しいサイテス1(輸出入禁止。学術目的の場合のみ可)に指定されていたが、現在では養殖モノに限ってサイテス2、つまり政府の許可を示す、
〃登録証〃を添えた場合のみ商取り引きができるようになったという。アジアアロワナにはいくつかの種類があり、中でも一番人気はマレーシアゴールドと呼ばれる。